のぼり旗は外で使う頻度が高くフルカラーで印刷するものが多いので、性質や
用途に合わせて様々な種類の生地が使われています。
もっともポピュラーなものから、特殊な生地まで。
実際にはどのような種類の生地が使われているのでしょうか?
通販サイトで紹介されているものをメインに、いくつか抜粋して1つずつご紹介します。
もっとも多く用いられるのは通称ポンジと呼ばれる化繊素材のもので、正式には
テトロンポンジといいます。
インクが裏まで良く通り、薄手でしなやかなために使い勝手がいい生地で、
100%ポリエステルで出来ています。
通販サイトでも良く見かけるものでのぼり旗に使われる他、タペストリーや
横幕などでも使われています。
次は金巾です。かなきん、かねきんと呼ばれる布で、のぼり旗に良く使われる素材の1つです。
薄手のコットン生地で綿100%の生地です。暖簾などにも使われたりします。
家紋を入れたい場合は、こういった生地を使ってみると味が出て良いでしょう。
日本の家紋の起源は平安時代中期に遡ることになるのですが、愚管抄(1220年)において
白河天皇の外祖父である藤原実季が、当時の移動手段の一つである牛車に乗ったことが経緯です。
牛車は当時上級階級の人間にとって威光を示すためのステータスになっていたものであるため、
移動手段として藤原家を含めて様々な家系が所有しています。
しかし名家がこぞって集まる集会に赴いた際に全員同じような形のものに乗ってやってきたために、
いざ集会が終わって藤原実季が帰ろうとしたときに、自身の所有するものがどれなのか分からなくなってしまったのです。
当時の牛車は高価な移動手段であったために、いくら名家といっても何度も購入するのはとても難しいといえます。
そこで、自身の牛車がどれなのかを把握するために、自身の物に目印となるように模様の入った布を取り付けたのです。
これが家紋の始まりであり、自身の所有物が分からなくなるのを防ぐ効果を発揮します。
家の牛車はこれだけ高品質なものを手に入れたということを他の名家に知らしめたのです。
実は同じように悩んでいた名家はたくさんいたので、これを契機に家紋は広がっていき現在に至ります。
次は遮光エステードです。文字通り遮光効果があり、布の間に遮光シートを挟み込む事で
印刷が透けないように工夫されています。ポリエステルで出来ており、
一般的な用途の他にカーテンでも使われています。
そしてトロピカルです。もっとも良く使われるポンジの厚手タイプで2倍の厚みがあります。
ポリエステルで出来ており、光沢感があります。他にも、厚手のものやコシのあるもの、
綾織の生地など、様々な素材がありますがのぼり旗で用いられるのは上記のものが多いようです。
このように、のぼり旗の生地にも豊富に種類があります。
ほとんどの場合はポンジーでも十分にのぼりとしての役割を果たしてくれますが、
もしデザインに強いこだわりがあり、表現方法をじっくり考えてみたいと
いうことであれば、別の生地を試して見ても面白いでしょう。
生地感を確かめたい場合は、業者に問い合わせてみると
サンプルなどを送ってくれるかもしれません。
近年は通販での注文が増え、自分で布を選びオリジナルのデザインで注文する
ケースも多いようです。通販サイトごとに値段や注文できる生地に差異があるようですので
是非比較してみてください。